遺言書の書式や遺産相続

遺言の書式や書き方

過去に贈与された物の財産評価

相続財産を計算する際には、相続人に対する過去に贈与された物や遺贈も考慮することになりますが、この価値を現在どれ位に評価するのかと言う問題があります。

被相続人がかなり昔に、その時点では同じ評価額であった土地と、株式と、現金を相続人3人に贈与していたとします。しかし、現在の評価額では、土地は評価額が2倍ほどに上昇しましたが、株式の方は当時の株価の半分程度に下落しているとします。
このような場合、相続人3人に間で不公平感が湧いてくると思われますが、この点について、民法は明確な規定を置いています。条文には、「なお原状のままとみなす」とあります。この条文の解釈は、例えば、以前に贈与を受けた金額が1000万円なら、今も評価額は1000万円(原状=昔のまま)とみなすという事ですが、インフレデフレによって、貨幣価値は変動するので、最高裁は、物価指数の変動率をかけて換算するとしています。
また、例えば贈与当時1000万円の土地ならば、土地の方も原状(土地は昔と変化しない原状である)として、現在その価格が2倍になっていれば、2000万円の評価で計算します。
更に、1000万円の株を贈与されて、現在その取引価格が500万円にまで下落していれば、その株自体は原状とみなして、価格は現在の取引価格の500万円の相続分の前渡しがあったものとみなします。

尚、被相続人から贈与を受けた受遺者に何らの落ち度がないのにその贈与財産が何らかの事由で滅失した場合は、贈与がされていなかったことになります。価格の増減は、相続開始時のその贈与物の評価額で計算するのが原則です。

以上の問題に関連して、特別受益分からの差し引きを持ち戻しと呼ぶことが多く、贈与についても現実に払い戻さなければならないとお考えの方も多いと思いますが、贈与や遺贈の場合は、特別受益と異なり、相続分よりその額が多くても返還する義務はないので、特別受益でよく用いる持ち戻しとは意味が異なるので注意が必要です。
また、持ち戻しと遺留分減殺請求も混同しがちですが、遺留分は、第三者に対しても贈与や遺贈に対する減殺請求が可能ですが、特別受益は、全相続財産に合算されるので、その結果、各相続人の相続分や遺留分も増加します。

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