遺言書の書式や遺産相続

遺言の書式や書き方

検認を受けた遺言書で金融機関の手続きを受ける場合

多くの財産を残せない庶民にとっても、相続問題というのは頭の痛い問題です。

特に遺言書が遺されていた場合、意図せず諍いに巻き込まれてしまうこともあるのです。
以前、金融機関で後方事務として働いていた時のことです。
預金の相続の手続きに来店された方がおられました。
私は担当ではなかったものの、その煩雑な手続きのためにアシスタントとして色々と担当者のお手伝いをした経験があります。
来店された相続人は、裁判所で検認を受けた遺言書を持参されておられましたが、相続人に該当する方全員の必要書類が揃っていない状況でした。
遺言書には預金については全額を来店された相続人への相続するものと記載されておりました。
しかし、検認を受けた遺言書であっても、後日無効と判断される可能性がゼロというわけではありません。
金融機関の事務手続きとしては、それだけで相続手続きは出来ないことになっていました。
相続人全員の印鑑や必要書類を揃えていただかなければならないという決まりがあったのです。
しかし、その来店された相続人が仰るには、相続人の中には病気で書類に記名や押印したりすることが困難な方がおられるという話でした。
他に方法は無いものだろうかと聞かれましたが、法律に関わることで安易な返答が出来ず、少し時間をいただいて調べることになったのです。
本部とのやり取りの中で、似たようなケースが無かったか調べてもらったり、他に方法が無いか法律を確認してもらったりして数日が過ぎてしまいました。
そうするとお客様自らも調べて下さったようで、司法書士の先生を選任して一緒に来店されることとなったのです。
相続人の方が依頼し連れて来られた司法書士の先生曰く、遺言執行者として家庭裁判所に選任を受けることが出来れば、預金の解約が出来るはずで、ご自身にその手続きをした経験があるとのことでした。
本部からは病気の相続人の方に後見人制度を利用してもらうなどといったケースがあったと報告してきましたが、遺言執行者の手続きをとってもらうというケースは報告してこなかったのです。
しかし、類似ではない全く別のケースで、遺言執行者として司法書士の先生に手続きしてもらうことで預金の解約をしたケースがあったということを、その来店時に確認を取ることが出来、そのケースに沿った手続きを取らせていただき、後日無事に預金を解約するに至ることが出来ました。
数日間、担当者はずっと頭を悩ませておりましたが、相続人であるお客様も大変不安な気持ちで過ごされたことでしょう。
相続の手続きには期限がありますが、手続きをひとつ取るにも大変時間がかかるため、仕事をしながらであったりするとなかなか先に進めないものなのです。
金融機関に来るまでも色々とお忙しかったでしょうから、「このままでは手続き出来ない」と申し上げた時の落胆の表情は今でも忘れられないほどでした。
また、相続に関しては本当にケースバイケースなので、どういった手続きが必要か、どういった手続きなら可能なのかというのがそれぞれ異なります。
時間も手間も費用までもかかることがありますが、しかし金融機関側も間違いが無いように出来る限り確実に確認が出来る方法を取ることが相続人の方々を保護する最良の方法だと考えているからこそなのです。

Menu

  • 遺言書実例

  • 遺言書遺産相続体験談