遺言書の書式や遺産相続

遺言の書式や書き方

弱った姿と細い息遣いは猫の遺言に説得力を与える

遺言とは被相続人の生命が終焉を迎える手前の最後の意思表示です。
遺言の代表といえば相続財産の分与などについて真っ先に思い浮かびがちですが、財産分与の条件として「毎日自分に対して念仏を唱えること」や「認知」などの条件も遺言としてしっかり認められています。
ほとんどの場合、人は言葉を話したり文書を書いたりなどして、自分の最後の意思表示を伝えたい相手に対して、自分の気持ちを伝える事ができますが、「ヒトとペット」の間柄では言葉を交わすことは不可能なのでなかなか難しいかと。
しかしそれでも「ヒトとペット」は具体的な言葉を交わさなくても、出来る事なら迎えたくない永遠のお別れの時が近づけば、それまで以上にお互いの意思の疎通を感じた方は多いと思います。
また、相手がこの世から去った後に意思の疎通を自覚する場合もあります。
私は小学4年生で10歳の頃、友達の家から1歳のネコを貰ってきました。
当時、住んでいた社宅に持ち帰り父母からは、しこたま怒られながらもネコは家族の一員となり共同生活が始まりました。
あまり健康的とは言えないネコでしたが、我々の共同生活はのらりくらりと平穏に長引きまして、いつの間にやらお互いの存在は、すぐ近くに居る事はごく当たり前の間柄になっていました。
私も就職をして、親元を離れて生活していた頃に、仕事の関係で滅多にない季節外れの帰省をする機会を得ました。
初夏でした。
帰省する前に、両親からは電話でネコの様子を聞いていたので、気持ちの準備は出来ていたのですが、あれから14年経ったネコの姿はガリガリでフラフラと弱っていました。
私はまず、私が帰省するまで、ヨボヨボながらも生きてその姿を見せてくれたネコに対して感謝の言葉を伝えました。
その言葉を理解していたのかどうかは不明ですが。
若かった頃は、あんなにニャーニャー鳴いていたネコではありましたが、もうニャーと一声鳴く体力も残って無かったようでして、グッタリと寝そべった状態のまま無言でした。
細かい息を短いマラソンを走ってるかのように短い間隔で呼吸をして、呼吸をするたびに痩せた身体の胸の部分は露骨に上下に動いていました。
今思えばその呼吸する姿もまた、ネコの遺言のひとつだったのかも知れません。
私が帰省してから4?5日目あたりから、ネコは歩けなくなりました。
季節は初夏で外気は暑く、ちょうどひんやり冷えた洗面所が心地よかったのか、洗面台の足元に敷いてあるマットの上でグッタリ寝そべっていました。
この帰省がネコとの共同生活の最後の機会と思い、月並みながらグッタリと寝そべってるネコの前であぐらを組み、数時間一人で勝手にベラベラと思い出話しを咲かせました。
ひょっとしたら具合の悪かったネコはうっとおしかったかも知れません。
季節外れの帰省の最終日前夜、私は電気を点けずに洗面台を使おうとしたところ、うっかり弱ってるネコを軽く蹴ってしまいました。
帰省して10日間、ひとつも鳴かなかったネコは「ニャ」と発しました。
その一言が耳で確認できるネコの最後の遺言となりました。
一日かけて実家から仕事場のある本来の住居に戻りますと、実家から電話が。
「私が実家を出たその日にネコは他界した。」 という事でした。

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